原点に返って
こんにちは!部長&1ステリーダーの村上です!
さて、定期演奏会まで残すところあと二週間となりました。 なんと生田グリーの部長はテスト期間だというのにブログを更新しております(笑) そんなのはさておき、オペラの方もそろそろ佳境に入る頃です。
練習も、台本・作曲を手かげてくださった木村哲郎先生に直接ご指導いただいたりと、毎回濃いものになってきています。 私自身、練習を進めていて慣れないことや不安なこともありますが、木村先生のお言葉やご指導が本当に支えになっています。

先日、立ち稽古を見ていただいた後に木村先生とお話ししていたところ、こんなお言葉をいただきました。
「大事なのは、あなたがいつも立ち戻れるところがあるということです。あなたがこの作品をやりたいと思った原点がどこにあるのか、これを通して何を伝えたいのか、最初にこの作品に出会ったときの感覚や気持ちに、立ち戻れるということです」
なぜか、涙が出そうになりました。というか、ちょっと出ました。頑張ってこらえたんです。 このお言葉をいただいてから、ずっと考えていました。私はなぜ、この作品をどうしてもやりたいと思ったのか。 私が去年の6月に、原作者の方に上演許可をいただくために考えた文章を、もう一度読み返してみることにしました。 目の前の演技をどうするか、そればかりを考えていた私が忘れかけていた“原点”を、何か思い出したような気がしています。
私がこの作品に初めて出会ったのは、小学生の頃に観た映画でした。 内容までははっきりと覚えていませんでしたが、とってもカラフルで、楽しくて、キラキラとした印象が、ただ漠然と心に残り続けています。
私が高校1年生になったとき、偶然にもこの作品に再会することができました。 本屋さんでその小説を手に取り、迷わず即買いし、一度も本を閉じることなく読み終えてしまいました。 懐かしくて温かいその世界に、いつの間にか引き込まれていました。この作品の、なぜか素直に心に入ってくるところが、私は大好きです。
高校1年生の私がこの作品を読んで溢れたのは、記憶や思い出も、大切な誰かも、いずれは全て失うのに…という気持ちでした。 けれどそれは、いずれは全て失うからこそ、そこにあるものが美しく、愛おしく感じるのだと、気づかされました。
また、この作品の人たちは、大きかれ小さかれ、みんな必ず何かを抱えていて、それと向き合ってはくじけそうになったり、そんな自分が嫌になったり、他の人からしたらくだらないと思われるようなことを、必死になって考えています。
何だかその姿は、私自身や、私の周りにいる仲間に、似ているなと思いました。きっと誰にでも、大人にでも、抱えてることはあって、それと向き合うことに必死になったりするんだろうな、と思いました。
作品に出てくる個性が強すぎる人たちは、生田グリーの騒がしくてキャラが濃くて大好きな部員たちにどこか似ていて、なおさらこの作品が好きになりました。
この大好きな作品を、相手の心に残り続け、ふとしたときに自然と思い出されるような作品を、どうしてもやりたい。観に来てくださったお客さんに、明日を生きる力を与えられるような舞台を創りたい、と、去年の私は思ったのです。
それを思い出したとき、私たちのオペラは、もっと面白くて型破りで楽しいものにできると、今の私はそう思ったのです。 そんな自信なんてないけれど、でも私は、大貫のようにそんな自分と向き合って、頑張ろうと思いました。
このオペラを創り上げていくことほど、今の17歳の自分が面白いと思うことはありません。だからこそ、もっともっと、頑張りたいです。 本気で幸市民館の800席を満席にするつもりです。それくらい面白いものを創り上げます。 3月23日、ぜひ足を運んでください!

P.S.先日、オペラ「パコと魔法の絵本」専用のTwitterアカウントを作りました!フォローぜひお願いします! ⇒@IkutaGlee_Paco